ワードの用紙サイズはA4縦長が初期設定です。これを席札の形に合わせて横長にしたりA5サイズにしたりする方法は以下の通りです。
原稿の向きや大きさの変更はページレイアウトタブで行います。ページレイアウトタブ内にある「印刷の向き」ボタンをクリックすると縦長か横長かを選択できますし、「サイズ」ボタンをクリックするとA4以外のサイズに変更ができます。
席札の原稿を作る場合はまず席札と同じ大きさの図形を描き、それを基準にしてテキストなどを配置していくのが基本です。従って図形の大きさはミリ単位で調整する必要があります。この章では図形を描き、さらに思い通りの大きさや色にする方法を説明します。
図形を作成するには、まず挿入タブで図形ボタンを押すと現れるメニューで作りたい図形を選択します。それから作業画面上の適当な場所をドラッグしてください。正方形や真円など、縦と横の長さを同じにしたい時はシフトキーを押しながらドラッグです。位置や大きさは後で自由に変更できます。
図形を選択した状態で外周にカーソルを合わせると移動やサイズ変更が行えます。カーソルが十字になっている時にドラッグすれば移動、両矢印キーになっていればサイズ変更です。また緑のハンドルにカーソルを合わせてドラッグすると回転します。
席札とピッタリ同じ大きさの図形を描きたい時などは、図形を選択した時に現れる「書式タブ」にあるサイズという項目に数値を入力すれば100分の1ミリ単位で図形の大きさを指定できます。角度も同様に回転という項目で数値入力します。
三角形や台形など選択した時に黄色の頂点が現れる図形は、その頂点を動かす事で形を変化させる事ができます。この方法では数値入力などは行えないので、アバウトな調整となります。
ワードで図形を描くと標準では色が付いていますが、席札の原稿ではこの色が邪魔になる事が多いです。色を消したり変更したりするのは、図形を選択すると現れる「書式タブ」にある、「図形の塗りつぶし」または「図形の枠線」という項目で行います。
「図形の枠線」の下方にあるランチャー(小さい四角)をクリックするとダイアログボックスが現れ、例えば図形の透明度などさらに細かい調整が行えます。
作りたい席札が複雑な形をしていると、ワードに用意されている図形では対応できない事があります。そんな場合は「頂点の編集」機能を使うと、図形メニューに無い図形が作れます。この章では円弧やハートを「頂点の編集」機能で作成してみます。
図形メニューに円や半円はありますが、円弧はありません。でも「頂点の編集」機能を使えば円から簡単に円弧が作れます。
まず円を作成し、塗りつぶしで「なし」を選んで線だけにします。その円を選択した状態で書式タブの「図形の編集」メニューをクリックし、さらにドロップダウンメニューで「頂点を編集」を選択します。すると円の外周上に4つの黒い点、頂点が表示されるので、この頂点を調整して円弧にします。円の作り方や塗りつぶしが判らない時は図形の作成の章を参考にしてください。
円弧を描いている線(パスと言います)は両端が切れていますが、円には切れ目がありません。なのでまず円のパスに切れ目を入れます。円の頂点にカーソルを合わせて右クリックすると新しいウィンドウが現れますので、その中の「開いたパス」という項目を選択してください。頂点が2つに分かれ、円に切れ目が入ります。
あとは余計な頂点を削除するだけです。円の切れ目にある頂点にカーソルを合わせて右クリックし、現れたメニューで「頂点の削除」を選んでください。頂点とそこから伸びていたパスが無くなり、きれいな円弧になります。
図形メニューにハートは用意されていますが、席札で使うにはちょっと味気ない感じです。頂点を編集して可愛いハートマークにしてみます。
「図形」メニューでハートを作成し、そのハートを選択した状態で書式タブの「図形の編集」メニューをクリックし、さらにドロップダウンメニューで「頂点を編集」を選択して頂点を表示させます。ハートの作り方が判らない時は図形の作成の章を参考にしてください。
頂点をクリックするとハンドルが現れますので、これを動かしてみてください。ハンドルの動きにあわせてハートの形も変化します。これでハートの形が自由に変えられるようになりました!
図形に頂点を追加すれば、より自由な作図を行う事ができます!作例として簡単なネームタグを作ってみましょう。
まず「図形」メニューで長方形を作成し、その長方形を選択した状態で書式タブの「図形の編集」メニューをクリックし、さらにドロップダウンメニューで「頂点を編集」を選択して頂点を表示させます。長方形の作り方が判らない時は図形の作成の章を参考にしてください。
カーソルが長方形の辺上にある状態で右クリックすると新しいウィンドウが現れるので、その中の「頂点の追加」を選択します。すると長方形に新しい頂点が生成されます。
あとは新しい頂点を移動させるだけでネームタグ完成!グリッドと併用すれば複雑な図形も描けるので、席札の図面を作るには非常に便利な機能です。
席札の原稿を作る場合、ゲスト名や挨拶文は自由にレイアウトする必要があるので、まずテキストボックスを作ってその中に入力するようにします。テキストボックスは図形同様に大きさや色を変えたり、移動や回転をする事が出来ます。
テキストボックスを作成するにはまず挿入タブで図形ボタンを押し、現れるメニューで「テキストボックス」を選択します。続いて作業画面上の適当な場所をドラッグすればOK!作成したテキストボックスを選択した状態でキーボード入力するとテキストが生成されます。
テキストボックスは図形扱いなので大きさや角度、色などは図形と同じ方法で変更できます。詳しくは図形の作成の項でご確認ください。
ワードで席札の原稿を作成していると、図形やテキストボックス(以下オブジェクトと呼びます)が重なっているために思い通りにオブジェクトが選択できない場合があります。そういう時はホームタブ内の選択メニューにある「オブジェクトの選択と表示」を使って下さい。
Ctrlキーを押しながらオブジェクト名をクリックすれば、複数のオブジェクトを同時に選択できます。オブジェクトを一時的に非表示にする事も出来るので、ガイドの線などを印刷の時だけ消すのにも便利です。
グループ化は、複数の図形やテキストボックス(以下オブジェクト)を一つのオブジェクトとして扱えるようにする機能です。移動や複製をしてもグループ内のレイアウトが保持されるので、席札の原稿を同じページ内に並べて印刷する時などには非常に便利です。グループ化させるには、複数のオブジェクトを選択した状態で書式タブ内にあるグループ化というボタンを押してください。グループ化はいつでも解除して、元のパーツに分解できます。
図形やテキストボックス(以下オブジェクトと呼びます)を整列させるには「配置」という機能を使うのが便利です。席札の原稿作りには欠かせない機能ですが、ちょっとクセがあるのでこの章ではその使い方をくわしく説明します。
左揃えはオブジェクトを左合わせで整列させる機能です。複数のオブジェクトを選択した状態で左揃えをクリックすると、選択しているオブジェクト群の一番左端を基準にして全オブジェクトが揃います。右揃えや上、下揃えも同様の規則性で整列します。図形が意図しない場所に移動してしまう場合は配置メニューで「選択したオブジェクトを揃える」にチェックを入れてからやり直してみてください。
左揃えを行う際に配置メニューの「用紙に合わせて配置」にチェックを入れておくと、オブジェクトはページの左端を基準に整列します。この機能はオブジェクトがひとつだけの時にも使用できます。また右揃えや上、下揃えでも同様の規則性で整列します。
左右中央揃えは選択したオブジェクトを真ん中合わせする機能で、ゲスト名を席札の真ん中に配置したい時などによく使います。オブジェクトを一つだけ選択した状態で左右中央揃えを適用した場合、真ん中合わせの基準は用紙になります。
複数のオブジェクトを選択した状態で左右中央揃えを適用すると、オブジェクトの両端を基準にした中間地点で全オブジェクトが整列します。ただし、配置メニューの「選択したオブジェクトを揃える」にチェックが入っていない場合、オブジェクトは用紙の両端を基準にした中央に集合します。上下中央揃えの場合も同様の規則性で整列します。
あるオブジェクトを基準にして他のオブジェクトを真ん中合わせさせたい場合には、左右中央揃えの前にいちど左揃え(右揃え)させます。その後で左右中央揃えさせれば、基準のオブジェクトは動きません。ただしこの方法は基準のオブジェクトが他よりも大きい場合だけに有効な方法です。
基準のオブジェクトが小さい場合は、新しくガイド用のオブジェクトを作り、それを基に整列させます。まず新しく直線を作り、左右中央揃えの応用1の方法で基準のオブジェクトの中心に配置します。次に同じ大きさのオブジェクトを2つ作り、これを右揃えと左揃えで直線の左右に配置します。この新しく追加した2オブジェクトをグループ化して、これを基準に左右中央揃えを行えば、基準のオブジェクトは動かさずに中央揃えを行う事ができます。
「左右に整列」は、選択したオブジェクト群の両端を基準にオブジェクトを均等配置する機能で、「上下に整列」も同様の規則性で均等配置します。席札のゲスト名を整列させる時などは必須の機能です。オブジェクトが意図しない場所で整列する場合は配置メニューの「選択したオブジェクトを揃える」にチェックが入っている事を確認してください。
オブジェクトを規則的に配置するには、配置機能を使う以外にグリッド線を使う方法があります。オブジェクトはグリッド線に近付けるとマグネットのように吸い付くので、グリッド線を縦横に巡らせることで複雑な整列が可能になります。席札の形状によって配置機能とうまく使い分けてください。
グリッド線の表示/非表示の切り替えは、表示タブ内にある「グリッド線」というチェックボックスで行います。
初期設定ではグリッドは横線だけですが、縦線を加えて方眼紙の様にしたり、グリッドの幅を自由に変更する事もできます。これらの設定は、ページレイアウトタブまたは書式タブの配置ボタンをクリックすると現れるドロップダウンメニューで、「グリッドの設定」という項目を選択して行います。
グリッドに縦線を加えるには、上記の操作で現れるダイアログボックスで「文字グリッドを表示する間隔」という項目にチェックを入れればOK!文字グリッドというのは縦線、行グリッドは横線の事です。グリッドをオブジェクトの配置に使う場合、「表示する間隔」という項目は文字グリッドも行グリッドも1にしておいてください。
グリッドの幅は「文字グリッドの間隔」「行グリッドの間隔」という項目に数値を入力する事で自由に変更ができます。この項目は1字とか0.5行とかよく判らない単位になっていますが、mmやcmにもキチンと対応していますので、半角で5mmとか1cmなど単位も含めて入力すればOKです!
文字や図形(以下オブジェクト)を重ねると、新しく作ったものほど上に表示されます。席札に印刷する文字が図形に隠れてしまう場合などは、この順番を入れ替える必要があります。オブジェクトを選択し、書式タブ内にある「前面へ移動」や「背面へ移動」機能を使うのが基本です。
重なり順はオブジェクトの選択と表示ダイアログボックスの最下部にある並べ替えボタンを押して変更する事もできます。
席札作りで転写という技法を使う場合、原稿を反転させて印刷する必要があります。反転には、プリンターの反転印刷機能を使う方法とワードの機能で反転さる方法の2種類があります。
プリンター機能を使った反転は、簡単できれいに印刷できるオススメの方法です。ワードの印刷画面でプリンターのプロパティをクリックしてプリンターの印刷設定ウィンドウを開き、そこに反転印刷の設定があればそのプリンターは反転機能を持っています。
反転印刷の設定は、左右反転させる項目が用意されていてそれを選ぶタイプと、転写紙など特定の用紙を選ぶ事で反転になるタイプがあるようです。詳しくはお手持ちのプリンターマニュアルなどでご確認下さい。
プリンターに反転印刷機能が無い場合は、ワードでデータを反転させて印刷します。まず反転印刷したいテキストボックスや図形(以下オブジェクトと呼びます)を全て選択して下さい。複数オブジェクトの選択方法が判らない場合はオブジェクトの選択の章を参考にして下さい。
オブジェクトを選択したらそれをコピーし、さらに貼り付けます(複製する)。貼り付けは必ずオプションで「図」というボタンを選択するようにしてください。貼り付け先はこれまで作って来た文書内ではなく、新規ファイルを作成して貼り付けるとその後の印刷がカンタンです。
貼り付けた図を選択している状態で書式タブの回転メニューにある「左右反転」を使えばデータが反転しますので、これを印刷すれば反転印刷が行えます。